#009
Alkanet
2026.05.11 Release
ふたつの色は どちらも わたし 真実も 偽りも 同じ わたしから
Both colors are me Truth and lie both come from the same me
Scenes



Botanical Notes
アルカネット — Alkanna tinctoria — 花言葉: 偽り・真実
地中海沿岸から南東ヨーロッパの乾いた斜面に育つ、ムラサキ科の小さな多年草。葉は粗い毛に覆われ、根元から放射状にロゼットを広げます。春から初夏にかけて、5mm ほどの澄んだ青い五弁花を咲かせ、その姿はワスレナグサ(forget-me-not)によく似ています。
一方で地中深く伸びる根は、深紅から赤紫の色素アルカニン(alkannin)を蓄え、古代エジプト時代から口紅・チーク・染料・食用色素として用いられてきました。「染色家の(dyer’s)」を意味する英名 dyer’s bugloss は、その歴史を物語ります。青い花を咲かせ、赤い染料を与える — この一つの植物が同時に持つ二つの色こそが、Alkanet の本質です。
Liner Notes
青い花を咲かせる植物が、地中では赤い染料を抱えている。同じひとつの花が、見る人には「青」と呼ばれ、受け取る人には「赤」と呼ばれてきました。古くから「偽り」という花言葉を背負わされてきたのは、口紅としてうわべを彩る役目を担ったからでしょう。
ふたつの色を持つことを「ずるい」「どっちつかず」と責めることはできるけれど、この花は、青を空に向けながら、赤を静かに差し出し続けてきました。真実と呼ばれても、偽りと呼ばれても、ただそこに在り続けた。
Bridge にこの楽曲の核を置きました。「あなたが触れた瞬間に / 青も赤も真実になった」。両方の色は、誰かが受け取ってくれたその瞬間に、どちらも肯定されるのだと。いらないものなんて、この世にないよ — このメッセージを、二色の花にいちばん丁寧に運んでもらいたいと思いました。
歌詞
青く咲いて 赤く 与えていた Bloomed in blue, gave in red
わたしを見る人は 青を見て Those who saw me saw blue
わたしから 受け取った人は 赤を知った Those who received from me knew red
ふたつの色を 持っていた I held two colors
──「真実」と 誰かが 呼び── ──"Truth," someone called me──
──「偽り」と 誰かが 呼んだ── ──"Lie," someone called me──
──「Alkanet」と わたしは 名乗った── ──"Alkanet," I named myself──
ふたつの 名前で 呼ばれても Even when called by two names
わたしは ここに いる I am still here
ねぇ あなたが信じた色も Hey, the color you believed
あなたが疑った色も and the color you doubted
同じ わたしの青 are the same — my blue
青く咲いて わたしは ここに ある Blooming in blue, I am here
赤を与えて わたしは ここに いる Giving red, I am here
信じることも 疑うことも 同じ わたし To believe and to doubt are both me
ふたつの色で 呼んでくれていい Call me by either color
あなたが選ぶ どの名前も Whichever name you choose
Alkanet Alkanet
誰かを 美しくするために To make someone beautiful
わたしは 名前を 失っていった I lost my own name
化粧の中で 影として 生きていた I lived as a shadow inside cosmetics
あなたも そうやって 消えていた? Were you disappearing the same way?
──「真実」と 呼ばれ「偽り」と 呼ばれて── ──Called "truth," called "lie"──
染めて 染めて Dyed and dyed
それでも 青を 咲かせていた yet still letting the blue bloom
ねぇ 真逆の評価を 抱えて Hey, holding two opposite verdicts
あなたも 揺れていたでしょう you were swaying too, weren't you
青く揺れて わたしは ここに ある Swaying in blue, I am here
赤を秘めて わたしは ここに いる Hiding red, I am here
ふたつの色は 同じ ひとつ The two colors are one and the same
あなたの 信じる色を 信じていい You may believe whichever color you choose
わたしは どちらでも あった I was always both
Alkanet Alkanet
真実と呼ばれても わたしは ここに ある Called truth, I am here
偽りと呼ばれても わたしは ここに いる Called lie, I am here
青と赤の あいだで 揺れていた I swayed between blue and red
あなたが 触れた瞬間に The moment you touched me
青も 赤も 真実に なった both blue and red became truth
青く咲いて わたしは ここに あった Bloomed in blue, I was here
赤を差し出して わたしは ここに いた Held out the red, I was here
いらないものなんて この世にないよ Nothing in this world is unneeded
ふたつの色は どちらも わたし Both colors are me
だから あなたも ふたつ持って いい So you too may hold two
真実も 偽りも 同じ わたしから Truth and lie both come from the same me
Alkanet Alkanet
青と赤を 持って 立っている Standing with blue and red
真実とも 偽りとも 呼ばれた Called both truth and lie
すべての 名前が わたしを 育てた Every name has raised me
あなたが 呼んでくれた どの名前も Whichever name you called me by
Alkanet Alkanet
